SpringOne PlatformでLTしてきたぞ!

Pivotalが毎年開催しているカンファレンスSpringOne Platformに、今年も参加してきました。一昨年・昨年に続き、三回目の参加になります。

今年は初の試みとして、カンファレンス前夜祭でのLTにチャレンジしてきましたので、そのことについて書こうと思います。

経緯

SpringOneの前夜祭では、LTが恒例行事になっています。このLTは公募制で、事前にCfPを出しての選考があります。

僕は今回で3回目のSpringOne参加になるので、今年は是非LTにチャレンジしたいなと思っていました。

そう思っていた矢先、SpringOne参加者へのメールでLTへのCfP開始のお知らせが来たので、これはCfPを出すしかないなと思った次第です。

ただ、そのメールが来たのが8/20で、締め切りが9/2というなかなかのハードスケジュール😅

ネタを何するか?

CfPを書くに当たり、問題は2つあります。1つはネタを何にするか、もう1つは魅力的なCfPを英語でどう書くか、でした。

まずネタについて。SpringOneという海外のカンファレンスで発表するには何がふさわしいか。海外の方が知らないような内容は何か。また、Pivotalのカンファレンスなので、マイクロサービス・Cloud Foundry・Kubernetesなどに関連した技術がいいでしょう。

いろいろ考えたのですが、自分が話すことができるネタは、2つしか思いつきませんでした。1つはORマッパーのDoma、もう1つはサーキットブレイカーのResilience4jです。他のネタも浮かんではいたのですが、カンファレンス本体のセッションと重なることも多く、ボツとしました。

前者のDomaは、仕事でも使っていました。公式ドキュメントの英語化プロジェクトの際に参加できなかった(いろいろ考えてるうちに完成していた😅)ので、何らかの自分なりに貢献をしようと思ったのでした。

後者のResilience4jは、以前国内でのLTもしていました。実は本体のセッションと内容が重なるのですが、マイクロサービス関連のことで今の時期に自信をもって喋れることは、これしかありませんでした。

魅力的なCfPを英語でどう書くか

英語の勉強はここ2-3年やっていたので書くことはある程度は大丈夫なのですが、CfPを魅力的に書くにはまた別のスキルが求められます。これは、経験のある方にレビューしてもらうしか無いなと思いました。

ふだんJJUG界隈でお世話になっている方で、真っ先に浮かんだのがJavaチャンピオンの一人である @cero_t さんでした。海外での登壇経験が豊富で、SpringOneでの登壇経験もおありだからです。お願いしたところ、Oracle Code One直前にも関わらず快く引き受けてくださいました。

前出2つのCfPを自分で書いて、@cero_tさんにレビューしてもらうことを何回か繰り返しました。そのやり取りの中で、CfPを書く際のポイントを的確にアドバイスしていただきました。

少し話はそれますが、英文自体のチェックはGrammarlyを使っていました。以前から有償版を使っています。文法自体の正確さだけでなく、表現として適切かどうかもチェックしてくれて、非常に便利です。

結果は・・・

締め切りから2週間程度で結果通知がメールで来ました。結果として、Resilience4jネタが採用されました。

そのメールの中で、「当日の1週間前までに発表スライドを送ってくれ」と書かれていました。ジャスト2週間!

発表スライドを作る

このLTはちょっと特殊なLTです。時間は5分間、スライドは全20枚と決まっており、さらにスライドは1ページ15秒で自動的に進められる(自分で進めることはできない)のです。

スライドを作るとともに、英語で話す内容も考えなくてはなりません。

発表スライドのレビューは、数年前のSpringOneで同じLTに登壇されていた@bufferingsさんにお願いしました。

思わぬ交流

スライドを作るためには、技術的にもいろいろと調べる必要があります。そういったことをTwitterでぶつぶつ言ってると、思いもよらぬリプライを頂きました。

Resilience4jの作者である@rbrtwnklrさんです。おそらく、「Resilience4j」でエゴサーチしてらっしゃったんでしょうねw

ちょうどResilience4jの1.0.0がリリースされる直前の時期で、内部アーキテクチャが変わったことなどをTwitter上で色々教えていただきました。また、「スライドのレビューもするよ!」と言ってくださりました。OSSTwitterの面白いところですね。

海外の方なのでやり取りはすべて英語なのですが、読み書きはできるので問題ありませんでした。英語の勉強しててよかった!!!

ひたすら練習

@rbrtwnklrさんに教えて頂いたこともあり、スライドは早めに完成しました。あとは英語でしゃべる練習です。各スライド15秒以内で喋らなければならないので、実際に口に出して練習しつつ、話す文章の量を調整する・・・という作業をひたすら行いました。

最初は文章をカッチリ決めて丸覚えする方向だったのですが、それだと緊張して内容が飛んだときにリカバリーできないと考えたため、スライドを見ながらしゃべる内容を考えるスタイルに切り替えました。結果的には、何回も繰り返し練習してたので丸暗記してしまいましたが。。。

いよいよ本番!

10/7(月) 19:00〜、本番のLTでした。LTスピーカーは僕を含めて10名(日本人は僕だけ)、僕は5番目の発表となりました。

緊張感は高まるばかり・・・。1〜4番目の方々は、英語はもちろん発表自体も非常にお上手な方ばかりで、より緊張感が増しました。

「内容も修正できないし、英語力は瞬間的に上がらないし、本番でできることといえば元気よくやることくらいだ。声出していこう!」と思い切ることにしました。

いよいよ自分の出番です。観客はおそらく300名近く。場所は海外。やっぱり緊張します。

実際に話してみると、舌が回らない、話す文章が一瞬出てこないということが何回もありました。また、緊張から練習よりも早口になってしまい各スライドで時間が余ってしまう、ということが何回もありました。観客の方を見る余裕もありません。

それでもなんとか、最後まで話すことができました。

やってみてどうだったか

「これが今の自分の実力なんだろう」と思いましたし、今できる全力は出せたと思っています。それでも、終わった後は「もっと上手くしゃべれるようになりたい」という気持ちが大半を占めていました。後悔はありませんが、力不足を実感しました。

でも、聞いてくださっていた@suzukijさん(翌日に70分セッションで発表予定!)から「カッコよかったですよ!」と言っていただけたり、翌日に「Resilience4jのLT聞いたよ!」と声を掛けてくださった方がいたり(もちろん英語で)、やっぱりやって良かったな、とも思っています。

また機会を見つけてチャレンジしたいです。

CfPをレビューしてくださった@cero_tさん。スライドのレビューをしてくださった@bufferginsさん、@rbrtwnklrさん。改めて本当にありがとうございました。みなさん無しでは、今回のチャレンジはありませんでした。

チャレンジするということ

自分も30半ばになり、社内に自分より若いメンバーも増え、若手とは言えなくなってきました。

若手はみんな自分よりも技術力が高いし、そんな中でオッサンたる自分が新しいことへのチャレンジを続けないと、存在価値が無いんじゃないかと。

社会人になって10何年になりますが、チャレンジすることをやめているオッサンは本当にカッコ悪いなと思っていました。

未知の領域に踏み出すほんの少しの勇気と思い切り、諦めない粘り強さ、そして自分を信じることを、これからも続けていこうと思います。